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アドレセンスとはつまり水蜜桃 (ふたなり女学生×ふたなり女教師乱潤夢の搾乳プレイ小説になるはずだったもの)

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  その日は特別な日でもなんでもなく、ただ茹る様な暑い暑い夏の日であった。きゃいきゃいと乙女達がはしゃぎ回る、百合の園、楽園。その若く、瑞々しく張った肌を汗が滴る。水蜜桃にかぶりつき、じゅく、とその蜜を吸う間もなく、口の端より、また指のあいだに滴る蜜滴。少女達の旬である。かの有名な賈宝玉は、「女儿是水做的骨肉,男儿是泥做的骨肉」(女の血肉は水で出来ており、男の血肉は泥で出来ている。)と言ったものだが、その通りであると、谷崎潤一郎は最後の足掻き、と囲む姦し娘達の間で一人、ふふふ、と頷いたのだった。教室から図書室の戸締りをしに廊下を歩けば「アッ、谷崎先生!」と学生たちが此方にやってきて各々ぺちゃくちゃと喋るのだ。それにええ、とかうふふ、とかそうですね、とやりかわしながらも、自分はタイトスカートの下に履いたストッキングが少し下がってきていて、脚と脚がぺたぺたとくっつき、もどかしい感触を我慢しながら歩いていた。ガラ、と扉をあければ冷房の風が全身を包み込み、思わず、はあ、と息をついた。 「せんせぇ!涼しいね!」 「エエ、そうですね。」 「ああん、先生、つれない!」 「私にどんな反応を求めているのです。サ、もう下校時間なのですから、お帰ンなさいな。」 「えぇー、」 「えぇー、じゃありませんよ、ホラ、此処は図書室ですし、もうすぐ閉めますよ。」 「ハァイ」 「せんせぇ、さよなら!」 「ハイ、さようなら。夏休みだからと言って羽目を外し過ぎてはなりませんよ。」 「はあい」 たったの三人(女三人寄れば姦しいとは謂うものの!)、でありながら嵐の様な集団が去り行けば教室は静けさを取り戻し、心なしか少々涼しくさえなった気がした。谷崎潤一郎は少女達と謂う美しき怪物たちを心の底から愛している。姦しい娘どもは嫌いでは無かったが、やはりはこちらには「毛頭も興味が有りませんわ!」と見向きもせずに、ツンと顎を尖らせ上を向いて居るようで、実は誰よりも熱い光線の焼けつくような視線を時折此方に寄越しているそんなような娘の方が幾倍も好みであった。そう、図書委員の席に座って居るひと。スン、とこちらに目もくれずに頁の行を目で追っているという風貌だが、例えば、其の手に持っている本が逆さまだったりだとか、手元が止まって居たり、反対に一気に何枚もぺらぺらと捲ったりだとかしていると、なんといじらしいことか!と、ぎゅうと抱きしめてキッスを一つあの艶やかな薄紅色のくちびるに送りたくなってしまう。可愛いひと。ゆるやかにウェーブのかかった濃紫色と至極色の混じった髪にきらきらと光る澄んだガラス玉のような碧眼。柔らかな目元と長い睫毛がこちらを見ずにただきょろきょろとしている虹彩を隠していた。その娘こそ、我らが頼れる図書委員長、三年一組の江戸川乱歩である。成績優秀で頭がよく切れ、また教室からの評判もよい話ばかり。文芸部の部長として、一人のミステリ作家としても名高く、巧妙な作品を発表していた。十全十美の皆の憧れを一身にさらりと受け止めきる、最早、完璧としか言いようがなかった。皆が彼女のことをそう思っているのは知っていたし、谷崎潤一郎自身、江戸川乱歩は優秀な生徒であると知っていた。だが、何時も思うのだ、彼女の本性は私しか知らないのだ!と。にっこりと笑って彼女が座っているカウンターに近づくと、二つのガラス玉がぎろりとこちらを射貫いた。背筋がゾクゾクとして、思わずああんっ、と喘ぎそうになったのを咄嗟に手を口元にやって、おほほほ、と繕った。態と腰をくねらせ突き出してカウンターに寄り掛かり、頬杖をつく。 「アラ、江戸川さん、今日もお疲れ様です。いつもありがとうございますね。」 「ええ、ドウモ。」 「オヤ、嫉妬ですか?あの皆の視線を独り占めする江戸川乱歩が、ですか?マア、可愛い!」 「谷崎先生、冗談はおよしになってくださいよ。」 「いいえ、冗談なんて滅相もない!アナタ自身が一番よくご存知なのでは?」 「エエ、そうですね、潤一郎さん。先生、そろそろ下校時刻で御座いますから、私は帰らせていただきますよ。」 「ああん、乱歩さんたらいけず!」 「何がいけずなんです、さぞやお楽しみだったでしょう。年頃の娘たちに囲まれて。」 「そんなつもりじゃ、」 「ええ、でしょうねえ、あなたにそんなおつもり無くてもそう見えるンですよ、谷崎せんせ。そんなに人を誘うような服装をなさって。」 江戸川はぱたりと本を閉じて谷崎の第一ボタンのみ外されたブラウスの首元と突き出された丸い尻を舐めまわすように見てから本をスクールバッグに入れた。谷崎にとってその視線は焦らされるもので、スクールバッグのジッパーを上げる音さえが艶に満ちている。まるで見えない手に全身を愛撫されている。以前の情事前にタイトスカートの腰横のジッパーがじ、じ、じ、と下げられてまた上げられてしまった時を思い出して、じゅん、と大陰唇が熱くなった。 「なんです、谷崎先生、その物欲しそうな顔は。」 「ああッ、ゾクゾクします…」 「全く。はしたない。あの噂の美人の谷崎先生が校内で、ましてや図書室で、涎を垂らしながら生徒の目の前でオーガズムに達しそうになって居るだなんて!とんだ醜聞ですよ。」 張ったタイトスカートの上からうっすらと浮いて見える下着のレースと布の縫い目をつつつ、と図書委員の当番カードを記入するために使用していたえんぴつでなぞり、ぴしゃりと谷崎の臀部を叩いてぎゅうとそれを掴んだ。 「あああぁッン!」 エアーコンディショナーの作動する図書室に谷崎の嬌声が響いた。頭から尻にかけて弓形にしなった谷崎の躰と振り乱された銀糸の髪は、谷崎そのものを蜘蛛の巣にかかった美しき蝶々を彷彿とさせたのも束の間で、それは恐るべき全てを喰らいつくす蜘蛛へと正体を顕した。 「それが生徒から出させられた教師の声とは、何とも恥ずかしいものです。」 興奮により大きく開き、閉じる事を忘れてしまった谷崎の口からはだら、だら、と涎が垂れ、白い肌は与えられた羞恥を認識し火照った頬は朱に染まっていた。 江戸川の肌はさらさらとワイシャツと擦れ合い、開け放った第一ボタンからは谷間、背中に冷気を運んでいるのにも関わらず、体内にはじんじん、かっかと火がともり首の付け根から耳がどうしようもなく熱かった。からからに乾いた喉がつっかかえた苦しさが心地よかったが潤したかった。ゴクリ、と唾を飲み込んでみようとするも何も分泌されずに、またくっついた口内が苦しかった。目の前でこんこんと湧き出る甘露を恵み、と喜び、舌を大きく伸ばして、べろり、と舐めた。ゆっくりと舌先から流れる谷崎の唾液が舌を潤した。が。 「ゲェッ、おえェッ、かッ、ハッ、ハッ、ぐ、にがい…」 ファンデーションの苦みが刺激を与えて来た。シャボンをウッカリ飲み込んでしまった時とよく似ていて、兎にも角にも江戸川は口を濯ぎたかった。 「うふふふふ、ふふ、ふふふ、あはは、おほほほ」 「なんです?」 「化けの皮は直ぐには剥がれませんよ、江戸川さん。」 谷崎が目をぎろりと開いてこちらを見据えて口角をゆっくり、ゆるりと上げた。 ア、この底無し沼に嵌まったのは何時か。妖艶な大色魔の蜘蛛に差し出された甘汁を喜んでべろべろと舐めまわし、気が付いた時にはあの細く長く絡みつく、あのひとの背に宿った脚々にガチリと摑まれもがけばもがくほどに強く愛でられていた。此の人間は恐ろしかった。下男の様な扱いを受ける事に興奮を催していたかと思えば、ぱちりとした瞬きの間に高潔な女王として君臨した。このひとは、夢の中のひとなのだ。俗世の穢れ知らぬ白を身に纏い、然し乍らその瞳からは溢れんばかりの欲が浮かんだ。処女マリアのあらゆる穴から貪(ラガ)を抱かせる何かが流れ出ていた。 今度は江戸川が悶える番だった。 「んっ、はあっ、はあ、みず、水を…」 江戸川は綺麗に切りそろえられ、ささくれの一つない十の指でがりがりと己の喉を掻き毟った。 「谷崎先生ッ、たにざきせんせッ、センセッ、んッ、ハッ」 「ああ、江戸川さん。もうかなり出来上がっていらっしゃるようで。」 先程の様子を露程も見せずに谷崎は江戸川のえらをガシリと摑み、罠にかかった獲物の顔をまじまじと物色した。谷崎の長い髪が江戸川の顔を擽り、影を落とす。暗闇の中から差し込む陽の光が目を焼いてしまう、と目を覆いたくなった。やわやわとしていた両目がぎんぎらと目を照り付けて仕舞って、痛くて痛くて仕方が無いのに目が離せなかった。頭が少し朦朧としていた。 「あら? 江戸川さん、どうやら具合が宜しくない様ですね。」 教師が生徒を心配して、柔らかく声を掛けた。 「先生、せんせい、」 生徒は顔を赤くして苦しそうだ。 「何です?」 静かに、教師たる口ぶりで、女教師は女生徒を支えた。 「わ、わたくし、も、もう、我慢できません…」 「ええ、ええ、そうでしょうねェ…可哀相に…ですが、もう少しの辛抱ですよ。水分不足でしょうね。」 「ああ、はい…」 「よっぽどの無理をしていたのですね、悪い子ですよ。アア、でも、とっても愛い子…」 谷崎は少々ぐったりとした様子の江戸川の脇を支え、片手間に荷物を持ち、エアーコンディショナーのスイッチを切ったのち、図書室を後にしたのだった。 江戸川を支えながら、谷崎が向かったのは保健室でもなく、カウンセリングルームだった。カウンセリングルームは谷崎が責任者を務めており、またプライバシーの考慮の為に隠しやら防音もされて居る為に色々な私用にはもってこいの教室なのだ。 「さあ、もう少しですよ。」 相変わらず江戸川の様子は芳しくなく、ぐったりしたままだった。そこへ、前方からパタパタと駆け寄ってくる音がした。 「あら、江戸川先輩と谷崎先生じゃあありませんか。どうされたのです?」 「おや、夢野さん。ああ、江戸川さんが少し具合が悪いようでして。今保健室に向かっているところです。」 「先ほど、サッカー部の部員が練習試合中に頭ぶつけてしまって、皆保健室に詰めかけておりますから、やめておいた方が良いですよ。」 声の主は江戸川の後輩であり、谷崎の持つクラスの生徒である夢野久作だった。夢野は校内では有名な品行方正、多才であると評判の生徒である。あらゆる教科にて良好な成績を保ちながら、その上、困ったことが有れば助けてくれる、気の良く利いた微笑の良く似合う美人、というのは表の顔で、裏と言えば、作家江戸川乱歩のファンであり、一人の作家として才を発揮していて、探偵小説からメルヘンまで書き上げるから才能の塊であるのだ。別段気にかけているでもないが、どこか何かを仕出かすのではないか、という空気を纏った彼女から谷崎は時折じっと彼女を見つめるのだ。それに夢野はいつも気付いて居るのか気付いて居ないのか、暫くしたらこちらに目と顔ごとやって、ニコリと笑い 「せんせい、こんにちは。」 と、手を振るのだ。別に教師が生徒を見る事はやましい事ではないし、やましい事だとは思われないものだから、此方も笑って手を振り返すのだ。 「あら、そうでしたか。ではカウンセリングルームにでも。あなた、江戸川さんが心配でここまで駆け寄ってきてくださったのでしょう? 彼女を連れて行くのを手伝ってくださいな。ササ、彼女の脇を抱えて。」 吹き抜けの校舎の翳は人の目をくらませるのに、耳と鼻だけは研ぎ澄まされる。ぺたぺたと、上履きの音と、江戸川の少しだけ荒い息と、三者三様の心臓の音が、解放された玄関から流れてくる運動部たちの掛け声をバックグラウンドに、良く響く。焦げた様な、陽に照らされた土の匂いが鼻を擽る。それと混ざって濃い、濃いおんなの匂いがする。おとめの脇から放たれた芳香。むせる、もわりとした熱気、白いシャツに染みた汗のしるし。江戸川を支えている夢野の手の中指の中の関節がちら、ちら、とわざとらしく当たって、谷崎は身をよじりそうになったが、くっと堪えて、さりげなく夢野の方へ眼を向けた。 「たにざきせんせぇ。」 間の伸びた典型的なアドレセンスのおんな、世間を知らぬのか、はたまた知って居てまだピュアーな面を演じているのか。これから蜘蛛に喰らわれる蝶をじっと見定める蛇の如き金色の瞳が、ぞぞぞぞッという寒気が尾骶骨からうなじまで駆け上がった。これだから作家に心酔している愛読者とは怖いのだ。まったく、江戸川が谷崎に陶酔していて、合意の上で行われているのに、此方が悪い、という目を向けられるのは少々心外ではあるが、この生徒が私へ好意的な感情を抱いて居る事は良く分かる。こういう時にこそ、彼女の化けの皮をベラりと剥がしてねぶるように見るのだ。 続

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