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【再】日々の観測記録 2022/4/8【通算60話】

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※今回の文章の一部は2019年6月頃に執筆した内容の微修正版となります。とはいえ初出です。 ____________________________________ 【はじめに】 本シリーズを読むにあたっての諸注意を以下にまとめています。 初めての方は一度ご確認いただければ幸いです。 https://www.fav.fan/Likely_15Night/Dkdl6 ____________________________________ 春の暖かな陽射しが、俺を優しく包み込む。 ここ最近は雨続きだったけど、今日は晴れて良かった。 今日、四月八日は、これから俺が通う高校……『私立星釣高等学校』の入学式の日だ。そして俺は今、星釣高校の校門前に立っている。 本当なら、一面の桜が入学生を出迎えてくれるんだろうけど、連日の雨のせいか、桜の花はほとんど残ってはいなかった。 これから同じ時を過ごすであろう入学生達が、一人、また一人と、様々な面持ちで校門を通る。それを眺めていると、自分も気が引き締まるのを感じた。   リオ「どうしたのよ、急に立ち止まって」 九尾「眺めてたんだよ、他の入学生の顔」 リオ「はぁ? ……はぁ、あんまりジロジロ見て、不審者だと思われても知らないわよ?」 九尾「はーい」 リオ「ほら、ボサっとしてないで行くわよ鳥頭」 このツンケンした子は八嶋李緒。友達だ。 素直じゃない奴で、漫画とかでよく見る、いわゆるツンデレ? ってやつだと思ってる。デレがあるのかは分からないけど。 俺に対しては特に当たりが強い気がするが、これは俺にも思い当たる節があるので仕方がない。鳥頭と呼んだのも、彼女なりのジョークだろう。 リオ「……な、なによ。今度はこっちをじーっと見て」 九尾「いや、リオってツンデレなのかなぁと思って」 リオ「は、はぁ?! 急に何言ってんのよアンタ! 本当に頭おかしくなったんじゃないの?! 大丈夫?!」 九尾「ははは、大丈夫だよ。心配してくれてありがとな」 リオ「いや、心配した訳じゃ……はぁ、もういいわ(プイッ」 リオはそそくさと校門を通る。 九尾「あ、待ってよ!」 俺もその後を追い、星釣高校に足を踏み入れた。 * * * 学校に入ってすぐの場所、大きな噴水のある広場に設置された掲示板に、いろんな名前が書かれた紙が張り出されている。 リオ「誰がどこのクラスなのか書いてるのよ」 九尾「なるほど。えっと、俺の名前は……えーっと……?」 リオ「ここ。……よかった、同じクラスね」 九尾「あー、そっかそっか。これか」 リオ「……アンタまさか、今自分の名前忘れてた?」 九尾「え? いやいや、さすがに自分の名前を忘れるわけないじゃん。あはは」 リオ「どうだか……まあいいわ、行きましょ」 九尾「行くってどこに?」 リオ「いや、教室に決まってるでしょ……アンタ、事前に渡された資料読まなかったの?」 九尾「読んだ……気もするし、読んでない気もする……」 リオ「はぁ……ほら、早くしないと遅れるわよ。もたもたしてると置いてくからね〜」 九尾「あっちょっ、だから先に行くなってばー!」 * * * ――星釣高校、1-Bクラス 九尾「ここが俺達のクラスか〜」 リオ「アンタの席は……ここ。いい? 大人しくしてるのよ?」 九尾「そんな、子供じゃないんだから」 リオ「……不安しかないわ」 九尾「えー」 リオ「私の席は……あっちか。じゃあ、また後で話しましょ」 リオは手を振ると、俺の席から左に三つ目の席に座った。一番端っこの窓際列だ。ちょっと羨ましい。  でも、リオと離れた席なのは確かにちょっと不安だ。リオ以外には知り合いもいないし、孤立してしまわないだろうか。 ???「なぁなぁ」 と、思ったのもつかの間、机がトントンと叩かれ、声をかけられた。 どうやら、右隣に座っている男子のようだ。 右隣の男子「さっきの女の子さ、彼女?」 九尾「え、彼女って?」 右隣の男子「付き合ってんの? 付き合ってるっぽかったじゃん」 リオ「ちーがーうー!!」 突然、リオが全力で否定しながら割り込んでくる。 おそらく今の会話を聞いていたんだろう。 右隣の男子「うぉっ、聞こえてたの?」 ???「地獄耳……(ボソッ」 近くの席からだろうか、ボソりとそんな呟きも聞こえてきた。 確かに、結構離れた場所にいるはずなのに、よく聞こえたなぁ。 リオ「こいつとあたしは、ただの友達! 変な勘違いしないでよね……」 右隣の男子「ホントかなぁ〜? 照れ隠しだったり?」 リオ「違うって言ってるでしょうが」 右隣の男子「ま、いいや。僕は一宮 龍馬(いちみや りゅうま)、これからよろしく〜」 九尾「よ、よろしく」 一宮 龍馬か……凄くグイグイ来る人だなぁ。ちょっと目を離してる間に、俺以外の近くの席の人達にも話しかけている。 リオ「…………」 リオは……明らかに不機嫌そうだ。知らない人に変にいじられたからイライラしてるのかも。そこまで気にするほどのことでもないと思うけど……。 一宮「なあなあ、二人って――」 大男「はい、雑談はここまで!!」 大柄な男が手を叩きながら教室に入ってくる。スーツを着ているのを見るに、このクラスの担任の先生なのだろう。 教室内は、さっきまでの賑わいが嘘のように静まり返る。 すごい、中学の頃はこんな事言われても、誰も黙らなかったのに……。みんな、真面目なんだな。それとも、入学式の日は何処もこうとか? 担任「まあとりあえず、軽く自己紹介だ。先生の名前は――」 担任の先生は自分の名前を黒板に書き、読み方を説明した。 担任「事前に配った資料にも書いてあるとおり、この後体育館で入学式をやる。それが終わったら、またこの教室に戻って、各々の保護者さんと合流。書類の提出とかをやったら今日は終わりだ!」 担任「じゃあ軽く入学式の段取りを説明したら、体育館に行くぞー。まず――」 * * * その後、入学式は順調に進み、その日は終わりを迎えた。 来週から、いよいよ俺の高校生活が始まる。 友達はどれくらいできるだろうか。勉強はちゃんと分かるだろうか。期待と不安が入り交じって、とてもワクワクした気持ちでいっぱいだ。 九尾母「なにボーッとしてんの、そろそろ帰るよ!」 九尾「え、あっ……」 改めて、リオに挨拶したいと思って辺りを探してみたが、彼女の姿は見当たらなかった。もう帰ったのか? 九尾「……なんでもないよ」 九尾母「お家でジュリアが、お兄ちゃんの帰りを待ち侘びてるわよ」 九尾「うん、それなら早く帰ってあげないとね」 これからの三年間、どんな日々が待ち受けているのか……今から楽しみだ! ―TODAY'S END― ____________________________________ 【注意】 ※本編はここで終了となります。続きはキャラ設定テキストだけですので、予めご了承の程をよろしくお願いいたします。

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