日々の観測記録 2022/11/1【通算86話】
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【はじめに】
本シリーズを読むにあたっての諸注意を以下にまとめています。
初めての方は一度ご確認いただければ幸いです。
https://www.fav.fan/Likely_15Night/Dkdl6
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キーンコーンカーンコーン……
男(終わった終わった。さっさと帰るか〜)
男「……けほっ、ごほっ」
神崎「――!(アタフタ」
男(神崎さん、なんかソワソワしてる……まさか、今の咳で心配させちゃった?)
男(なんか今日、風邪気味なんだよなぁ……神崎さんを心配させないためにも、家に帰ったら安静にしよう)
* * *
男(のど飴舐めたらだいぶマシになったな……風邪じゃなくて、乾燥が原因かも)
男(晩御飯の時間まで、マンガでも読もうかな……)
男父「おぅい、息子」
男「え、父さん。今日早いね」
男父「まあな。それより、家の前にお前の学校の制服着た女の子が立ってたんだけど、友達か?」
男「……え?」
男父「お前も隅に置けないな〜このっこのっ! じゃあ父さん、風呂沸かしてくるから」
男「まさか……」
ガラガラガラ
神崎「ひゃっ!!」
男「あ、神崎さん!」
神崎「〜!!(タタタタタタ」
男「あ、待って!」
男「別に風邪引いたとかじゃないから、そんなに心配しなくていいよ〜!!」
男「……聞こえたかな?」
男(それにしても、俺の家の前まで着いてくるなんて……)
男(今日の神崎さん、がんばったなぁ……うんうん)
* * *
〜 翌 日 〜
* * *
男(うん、今日は喉の調子もバッチリ。これなら心配もかけさせな――)
神崎「あ、あ、あのっ!」
男「えっ、神崎さん?!」
神崎「えっ、えっと、えーと……」
男「おはよう。そっちから声かけてくれるなんて、嬉しいよ」
神崎「ひぇ?! あ、えと、おはよ……ござ、ます……え、えへへ。……って、ちがっ、ちがう……」
神崎「こ、こ、これ! どうぞ!(ドサッ」
男「え、これは?」
神崎「〜///(タタタタタタタッ」
男(……行っちゃった。なんだろ、この袋)
男(……わっ、のど飴とか喉スプレーとか、喉ケア用のあれこれがいっぱい入ってる……!)
男(やっぱり優しいなぁ、神崎さんは。今度、お礼しないと)
男(……あれ、袋の奥に、まだ何か入ってる)
男(……これ、化粧水と乳液? それに、保湿用のリップクリームも。 ……さては、ドラッグストアで一緒に買って、袋から出し忘れたんだな。神崎さんはおっちょこちょいだなぁ)
男(本人はどこかに行っちゃったし、また放課後にでも返してあげよう)
* * *
キーンコーンカーンコーン……
男(さて、神崎さんは……っと)
神崎「……(ジーッ」
男(うん。いつもの場所からこっちを覗いてるね)
男「神崎さーん」
神崎「ひっ?!」
男「ちょっと時間いいかな」
神崎「え、あ、えと、あの、あー……はい……いくらでも……!」
男「朝は色々くれてありがとうね。まずそのお礼を言いたくて」
神崎「いや、その、べ、べつに……えへへ……えへ……」
男「それと、袋の中にこんなのも入ってたんだけど……これ、神崎さんが使いたくて買ったやつじゃない?」
神崎「ふぇ?」
神崎「……あっ、えと、えーっと……け、化粧水と、乳液は、そうですけど……」
男「リップは違うの?」
神崎「……く、くち、くちび……る、カサカサ、してる……から……」
男「神崎さん……ありがとう。大切に使わせてもらうね」
神崎「た、たいせつ……?! い、いえ、その、その、あぅぅ……!」
神崎「……ぜ、ぜ、ぜんぶあげます!! つかってくださいぃ〜!!(タタタタタタ!」
男「え、ちょっ、神崎さーん?!」
男(……え、俺にこの化粧水とか使えってこと?)
男(元々神崎さんは自分用に買ったんだよな……じゃあ、神崎さんが普段顔に塗ってるやつなのか……)
男(……使うかぁ)
―TODAY'S END―
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【注意】
※本編はここで終了となります。続きはおまけテキストだけですので、予めご了承の程をよろしくお願いいたします。