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親子小説/時トワ小説

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「少し待っててね」 息子にそう声をかけて愛馬であるレディ・エポナの鬣をブラッシングし、まだ子馬である彼女の娘も同じように整えてやる。 栗色の体躯によく映える白いそれがふわりと風に靡くようになったのに満足して、待たせていた息子の方を向くとそこにいたはずの息子はおらず、枝から離れた木の葉が風に弄ばれているのが見えるだけだった。 息子の歳は九つであった。 身を焼くような焦燥感とひどい動悸をなんとか手懐け、フィローネの森に繋がる吊り橋へと歩を進める。 息子は生まれた時からその左手に、選ばれた者であるという徴が刻まれていた。"それ"を目にした時の絶望は今でも鮮明に思い出せる。それならば自分の左手に在ってくれた方がどんなに良かったことかと何度考えたかわからない。 泉の方から笑い声がして、安堵で胸を撫で下ろす。 「こら、リンク。待っててねって言っただろう」 「!」 びくりと体を震わせて愛息子は恐る恐るこちらに振り向いた。 「...ご、ごめんなさい」 男手ひとつで育てたというのに息子はなかなかどうして素直に育ち、感謝と謝罪をきちんと述べられる子になってくれた。 「とても楽しそうにしていたから」 リンクはそう言って後ろをちらりと見た。 確かに精霊の泉と呼ばれるここは清浄な空間であり、森の妖精たちがよく遊びに来るところでもあった。 「気持ちはわかるけど。...せめてパパに声をかけてから行ってね」 「わかった」 そう言って頷いた息子の周りを光球がふわりと踊る。 『リンク、怒られたノ?』 「おれがそそっかしかったから」 みんなは悪くないよ、と言ってリンク妖精たち微笑んだ。 「さて、」 妖精たちと楽しそうに戯れる息子を水際に腰掛けてひとしきり眺めたあと、そう声をかけた。 「このまま遊んでいてもいいけれど、そろそろ稽古の時間だよ」 「あ!」 その言葉に大きな目を見開いて息子は振り返った。 「じゃあおれいくよ。ありがとうね!」 妖精たち慌ただしく別れを告げてリンクはサンダルに足を滑り込ませて家の方へと駆けて行った。 「...全く」 我が子ながら忙しない奴である。 土埃を払って立ち上がり、泉を出る直前に後ろで泉がぼうっと光を放ち、主である精霊が自分の名を呼んだ。 「お待ちなさい」 「...ラトアーヌ様」 「汝は、─」 精霊の提案は簡単に言えば自分の肉体と引き換えに息子の旅の手助けができるようになるというものであった。自分ではどうしてもいけないのか、と問うたところ、『何事にも時というものがある』と言って遠回しに諭されてしまった。 "普通"に考えれば有り得ないことであったが、自分は、息子は"普通"では無い。それを改めて痛感しながら、提案に躊躇うことなく同意して泉を去った。 「あ、パパ!おそかったね」 「ごめんな。ちょっと妖精たちにイタズラされちゃったんだ」 息子に、胸中を悟らせないように笑いかけながらその頭を撫でた。 ─ 以下この世界線でトワさん本編クリア後の時間での時トワです。付き合ってます。(親子で付き合ってんの?なんで?とかは聞かないでください。付き合ってるからですとしか言い様がないので)(二次創作だから何でもありなんです!) ワンクッションのふぁぼ限。 17の時の子だとして1回時さんの体の時間は止まってるので大体年齢はトワさん16の時さん27です。なんかもうやばいですね()

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