日々の観測記録 2022/1/11【通算11話】
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【概要】
・自創作のキャラ同士が数行程度の会話してるだけのSSです。基本的に台詞オンリーだけど筆が乗ったら地の文も書くかも
・作品内にキャラやストーリーについての解説等はありません。本編が出来るのを待ってくださいお願いします
・毎日更新ではありません。最低でも一週間に一回更新出来ればいいかなーと思ってます
・いいね特典(限定公開範囲)は登場キャラの設定テキストのみ。本編はいいねしなくても全部読めます
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昭人「……んぅ、んん? ここは……?」
気が付くと、僕は暗闇の中にいた。
周囲が暗いのか、僕の目がおかしくなったのか。
辺りに何があるのかさえ分からない暗闇。
唯一、僕の目に映ったのは、宙に浮かぶ赤い光。
その赤光の下には、見覚えの無い少女が立っていた。
見知らぬ少女「あっ、目が覚めましたか!」
昭人「ん……えぇっ?! キミ、誰?!」
見知らぬ少女「ああ、すみません! 私、黒天使のタマヨイと申します!」
昭人「……タマヨイ? え、黒天使? 黒天使って何?」
タマヨイ「黒天使は黒天使すよ。ほら、翼も輪っかもあるでしょう?」
立ち上がり、タマヨイと名乗った少女をまじまじと見つめる。すると、確かに彼女の背中には、鳥のような翼が生えている。しかし、その翼はカラスのように黒く、暗闇に紛れて気付けなかったのだ。
頭上に見えた赤い光が、天使の光輪だったのだろうか。
昭人「確かに、天使だ……黒いけど」
タマヨイ「だって、黒天使っすからね」
状況がいまいち飲み込めないが、これでも様々な怪異に触れてきた方だ。天使が現れるくらい、普通に有り得る話だろう。
だが、そうなると疑問が生じる。天使が目の前に現れる時とは、大抵あの世からのお迎えの時だと相場が決まっている。しかし、僕はこうして生きているではないか。
その疑問をタマヨイに突きつけると、彼女は頬を掻きながら苦笑いを浮かべた。
タマヨイ「あー、えっとぉ……あなた、自分の状況、よく分かってます? 最後の記憶は何処っすか?」
昭人「最後の記憶……?」
確か、去音や桐砂に、心霊スポットだかパワースポットだかに連れて行かれて……。
……その後、何があったんだっけ?
タマヨイ「あなたは、まあ簡単に言えば心霊スポットである廃屋に訪れたのですが、廃屋の大広間は吹き抜けになっていたんす」
タマヨイ「その吹き抜けの箇所で、老朽からか床が抜けてしまい、足を滑らせたあなたは3階から1階まで、頭から真っ逆さまに……」
昭人「……え、僕、もしかして死んだ?」
タマヨイ「はい。残念ながら……」
愕然とし、膝から崩れ落ちる。そんなにあっけなく、僕の命は終わったのか。
あの学園に転入した日から、いつかはこうなる日が来ると、覚悟は出来ていた。むしろ、あんな危険だらけの学園で、よくも今日まで生き残れていたものだ。
だが、僕の運は、尽きてしまったらしい。自らの役目も果たせないまま、ゲームオーバーになってしまった。
タマヨイ「私たち黒天使は、いわば現世から冥界への案内人っす。死した者の魂を、冥界までお連れするのが役目なのです」
昭人「そう、なんだ……じゃあ、キミに連れられて、僕は今、冥界に?」
タマヨイ「あー、いえ……ここは冥界じゃなくて、魔界っすね……」
昭人「……は? 魔界?」
タマヨイは白い肌に冷や汗を浮かべながら、目を泳がせていた。そして、意を決したかのように頭を下げる。
タマヨイ「す、すみません!! 冥界にお連れしようとしたのですが、あの廃屋に潜む悪霊……死魔に、ちょっと邪魔されちゃって……世界と世界の狭間で、あなたの魂、手放しちゃったんすよねぇ! あはは……」
昭人「て、手放したって……」
タマヨイ「そ、それで、慌てて回収しようとしたんすよ?! でも、もう魔界まで落ちちゃってて……なんか、異世界転移の影響なのかなんなのか分かんないんすけど、あなた、生き返っちゃってますね……」
昭人「……えーと、つまり?」
タマヨイ「あの世にお連れしようとしたら、事故って異世界転生させちゃったって感じっすね〜……あはは〜!」
タマヨイ「いや、笑い事じゃないんすけどね……」
昭人「い、異世界転生……」
流行りには疎い僕でも、そのような内容の小説がメジャーである事は知っている。だが、まさか自分がそのような状況に陥るとは……しかも、天使の搬送トラブルで。
タマヨイ「なんで生き返っちゃったんすかねぇ……ボスに聞いた方がいいのかなぁ……」
昭人「あー……僕はその、どうすれば?」
タマヨイ「えーっとぉ……い、生き返っちゃった以上、あなたの魂を回収する訳にはいきませんので! 私はこれで!! なんかあったら呼んでください!!」
昭人「あ、ちょ?!」
引き留めようと手を伸ばしたが、そんなのお構い無しと、彼女は何処かへ飛び立っていった。完全に逃げられた……。
そして、彼女が去るのと同時に、暗闇に包まれていた視界が白に染まる。光だ。
眩しさに目が痛み、立ちくらみがする。次第に、目が慣れたのか、真っ白だった視界が彩られていく。
辺りに広がっていたのは、広大な草原。その中心に、僕は立っていた。
昭人「……いや、どうしろって言うんだよ」
正直、何がどうなって現状に行き着いたのか、まだ理解は充分には出来ていない。
だが、悠長に考えている暇は無いのは分かる。
何故なら、異形の怪物たちが、遠くから僕の事を睨んでいるのを見つけたからだ。
―TODAY'S END―
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【注意】
※本編はここで終了となります。続きはキャラ設定テキストだけですので、予めご了承の程をよろしくお願いいたします。